評価試験実施主体のクラスNKが発表したプレスリリースは以下のとおりです。
(クラスNKのHPを引用)
Press Release
標題:
「自動車運送業分野」特定技能1号評価試験 CBT方式受付開始
2025年2月28日一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、3月3日より、以下の国においてCBT(コンピューター・ベースド・テスト)方式による「自動車運送業分野特定技能1号評価試験」の受付を開始します。これにより、受験者自身で試験の会場(CBTテストセンター)と日時を選んで受験することが可能となり、利便性が向上します。CBT実施国:インド、インドネシア、ウズベキスタン、カンボジア、キルギス、スリランカ、タイ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、マレーシア、ミャンマー、モンゴル、ラオス、日本その他の国については、政府による当該国からの許可取得等、必要な準備が整った後に順次実施しますので、特定技能試験ポータルサイト(https://sswt-portal.classnk.or.jp/)をご確認ください。なお、CBT方式の受験申請は、受験者本人が直接手続きを行う必要がありますので、ご注意ください。「自動車運送業分野」特定技能1号評価試験について(1) 試験概要本試験は、外国人労働者が自動車運送業分野でトラック、タクシー、バスのドライバーとして就労するための在留資格「特定技能」を取得するうえで必要となる知識と技能を備えているかを確認するためのものです。(2) 背景 人材不足の深刻化が進んでいる物流・運送業界においては、外国人材の活用が期待されており、就労する外国人に必要となる在留資格「特定技能」が注目されています。特定技能制度において、本会は2019年の制度開始当初より、「造船・舶用工業分野」の試験実施主体として特定技能試験を実施しています。2024年4月、「造船・舶用工業分野」に加え「自動車運送業分野」においても試験実施主体となりました。(3) 試験方式本試験は、①CBT方式(個人申請)と②出張試験方式(法人申請)との二つの方式で実施します。 受験をご希望の方は、特定技能試験ポータルサイトにて詳細をご確認のうえ、特定技能試験申請システムよりご申請ください。
(引用おわり)
これにより、2025年3月末をもって日本国内での出張試験は終了となるようです。
(執筆者:理事長 山下裕司)※一部引用あり
とは、入管庁から配信されたニュース。 一体、この「外国人支援コーディネーター」とはいかなるものなのか? 簡単に解説してみました。
1 入管庁発表のプレス記事内容
(入管庁のリンクから引用) 生活上の困りごとを抱える外国人を適切な支援につなげることができる人材「外国人支援コーディネーター」を養成する研修を行っており、初回となる令和6年度の研修では、52名が外国人支援コーディネーターとして認証されました。本研修においては、オンライン講座(約2か月間)と職場での実践(約3か月間)を経て、2月22日(土)と23日(日)に、国立オリンピック記念青少年総合センターで集合研修を実施し、グループ討議や事例検討を通じて、支援の視点を深めるとともに、受講生同士のつながりも広げていただきました。今後、認証された52名は、半年間の研修で学んだことを活かし、それぞれの地域社会で外国人支援に貢献していくことが期待されます。(引用おわり)
2 外国人支援コーディネーター設置の背景
法務省入管庁では、これまで有識者会議からの提言その他技能実習制度或いは特定技能の制度上の問題点を踏まえ、我が国での「外国人支援コーディネーター」の設置を模索。 ▲ 他国(台湾、韓国、ドイツ、オランダなど)の実態調査 ▲ 地方自治体などからの聞き取りなどを行い、実施に踏み切ったもの。
3 外国人支援コーディネーターの人材像
(入管庁HPから引用)日本の法令や制度等及び外国人が受けることができる様々な支援サービスに関する専門的知識並びに相談支援に関する技術をもって、次の①及び②に掲げる業務を行うことができる人材をいう。① 複雑・複合的な生活上の困りごとを抱えた外国人相談者と信頼関係を構築し、当該相談者からの相談に応じ、問題状況の見極め、適切な支援プランの作成、状況に即した助言、連携先との連絡及び調整等の支援を行い、外国人相談者の了解を得ながら、解決まで導く。なお、他に相談対応者が配置されている場合は、それら他の相談対応者が担当する複雑・複合的な案件の対応に関して必要な助言及び指導を行う。② 生活上の困りごとの発生を未然に防ぐとともに、困りごとが発生した場合に外国人が相談先へ円滑に到達できるよう、生活オリエンテーション等において、自身の参加又はそれらの実施者に対する事前の助言・指導により、あらかじめ日本の制度等の概要や出身国の制度等との違いを教示するとともに、困りごとが発生した場合の相談先等の周知・提供を行う。(引用おわり)
4 外国人支援コーディネーターに求められるスキル及び配置先
① 外国人の在留状況を正確に把握する能力 ② 異なる文化や価値観を理解する能力 ③ 外国人の複雑・複合的な相談内容に対して適切な解決まで導く能力 ④ 外国人を適切な支援へ円滑につなげる能力
(入管庁HPから引用)上記スキルを充足するため外国人支援コーディネーター養成のためのカリキュラム、シラバスには労働関係法令の知識のみならず入管関係法令の知識も包含されている。今回外国人支援コーディネーターとしての認定された52人は順次全国の地方公共団体、学校、企業などに配置されるものとみられる。
5 当該制度に対する筆者考察
令和4年ころから有識者会議にて提言されていた外国人支援コーディネーターの設置を具現化した今回の施策ではあるが、現存する各種専門家(社労士、行政書士、弁護士、中小企業診断士など)との業際が競合する部分が大であること、外国人支援コーディネーターは他国との横並びで「国家資格」として付与しないことが決まっていることから 1 実効性について若干の疑義 2 現存する士業などとの業際調整などの問題点が想定される。ややもすればその存在意義が薄れてしまうことも懸念されることから今後の入管庁或いは地方公共団体等受け入れる側のさらなる努力と調整が注目される。
(執筆者:理事長 山下裕) ※一部引用あり
今後、特定技能外国人のより一層の増加が見込まれることを踏まえ、特定技能所属機関が地域における外国人との共生社会の実現のため寄与する責務があること及び1号特定技能外国人に対する支援は地域の外国人との共生に係る取組を踏まえて行うことが「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針」(平成30年12月25日閣議決定。令和6年3月29日一部変更)に明記されました。
これを踏まえ、特定技能基準省令の一部が改正され、特定技能所属機関は、地方公共団体から、共生社会の実現のために実施する施策(以下「共生施策」という。)に対する協力を要請されたときは、当該要請に応じ、必要な協力をすること、1号特定技能外国人に対する支援計画の作成・実施に当たっては、地方公共団体が実施する共生施策を踏まえることが規定されました。
具体的な内容は以下のとおりです。
特定技能所属機関が取り組む4つのポイント(入管庁HPから抜粋)
1 協力確認書の提出
特定技能所属機関は、特定技能外国人の受入れに当たり、当該外国人が活動する事業所の所在地及び住居地が属する市区町村に対し「協力確認書」※を提出します。
2 在留諸申請における申告
特定技能外国人に係る在留諸申請において、地方公共団体が実施する共生施策に対し、必要な協力をすることとしている旨を申告します。
3 支援計画の作成・実施
地方公共団体が実施する共生施策(例えば、各種行政サービス、交通・ゴミ出しルール、医療・公衆衛生や防災訓練・災害対応、地域イベント、日本語教室等に関する施策等)を確認し、これを踏まえ、1号特定技能外国人支援計画を作成・実施します。
4 必要な協力の実施
地方公共団体から、共生施策に対する協力を求められたときは、当該要請に応じ、必要な協力を行います。
(執筆 理事長 山下裕司)※一部引用あり